直仁の「善き人のための」研究室

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ストーリーとしての競争戦略

楠木建著「ストーリーとしての競争戦略」東洋経済新報社を読んだ。

製造業の技術系サラリーマンで、普段は材料研究のグループを率い、次の打ち手をどうしたらよいか日々悩ましいマネージャという立場にいるので、掲題のような本を見ると手が伸びてしまう。

普段週刊誌などは床屋で順番待ちしている時ぐらいしか読まない。で、年末に床屋で週刊ポストをぱらぱらめくっていた時に書評が載っていた。どうも面白くてよく売れているらしいので、気になって会社の図書室で買ってもらったのである。

実際、面白かった。優れた戦略というのは、聞いていてストーリーとして面白いというのが著者の主張である。面白いストーリーとは何かを教えてくれた。本としてのストーリーもよかったので、500ページもあったが飽きずに読めた。さて、中味は他のブログやネット書店の口コミを見てください。

ひとつだけここに書いてみたいと思うことは、よい戦略のコンセプトは「本当のところ、誰にどのような価値を提供するのか」がはっきりしていて「誰に嫌われるのか」も明確だということである。例えば、スターバックスは、仕事で疲れた人に「第3の場所」(会社でも家でもない)を提供することだという。だから、30分くらいはゆっくりほっとする場所でなくてはならない。そこからお店の形態が決まる。ドトールコーヒーは違う。忙しい人に、回転よく飲み物と軽食を提供する。だから、ドトールに行くような人はスタバには行かない。忙しい人には嫌われることを良しとしているのだ。

このことはビジネスだけに限らない。芸術もそうだ。万人受けすることをやっても失敗する。誰にどういう価値を提供するかを定めて、それが心地よい人にだけわかってもらえばよい、くらいにしないと成功しないだろう。さらに日常生活全般でもそうだ。自分の行動、言動の目的も同じである。自分がやりたいことがあれば、それが目指す価値が明確ならばやればよい。それが特定の人の関心を得なくても。あるいは嫌われてもである。
他人の目を気にしすぎると何もできないか、つまらないことだけやって一生を終ってしまう。
この本を読んでいて、ビジネスではなく、人の生き方に想いが飛んでいくから面白い。
同時並行に、泉谷閑示氏の「「私」を生きるための言葉」や池田晶子氏の「残酷人生論」を読んでいたせいかもしれない。
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