直仁の「善き人のための」研究室

読書、ペーパークラフト、フィギュアスケート、散策などの雑感

亡き王女のためのパヴァーヌとショパンの風景

日曜の朝、東向きのベランダの明るい陽射しを全身に浴びて気持ち良くアイロンをかける。通勤用のワイシャツ一週間分。ついでに娘の給食袋とナフキンもかけてやる。カミさんがかけようとするのを僕がやると横取りした。私が下手だから?と聞くので、僕が好きだから、と答える。大学時代、会社に入って独身時代、自分の服は自分でアイロンをかけてきたので苦にならないし、きれいに皺がとれて仕上がるのが気持ちいいのだ。
ときどきこういうことを繰り返す。いつも同じ会話になる。

他のひと仕事を終えたカミさんはピアノ防音室に入り、指馴らしにラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌを弾き始めた。防音室はヤマハのアビテックスでマンションの上下階に音が漏れない程度に防音していて、目の前にいたらちょうど優しく音が聞こえてくる。亡き王女・・は、僕の好きなピアノ曲の十本の指に入る。学生のころ聴いて憂愁の気分に浸っていたことを覚えている。その状況を明確には覚えていないが、その感覚だけは、曲想と一体化して蘇ってくる。音楽とは不思議なものだ。ラヴェルの曲は全般に好きだ。音そのものの心地よさがある。比べてショパンの曲は、もちろん音そのものの心地よさもあるが、なぜか、曲毎に異なるものの、風景を思い出す。思い出すというと一度は見たことがある風景ということになるが、おそらく、見たことのない風景なのだと思う。想像の風景だ。夜であったり夕方であったり、雨が降っていたり、曲によって必ず同じ時と場所の景色である。そして必ず建物がある。

他にも作曲家は大勢いるので、それぞれに感じる感じ方の違いについては、また追い追い述べていきたい。


さて、リスト著 ショパンの前回の続き。目次を紹介しよう。


目次

序―――遠藤 宏

序―――梶原 完

第一章 ショパンの作品概観
  追憶―芸術の形式―新しい作品―ショパンの天才―ショパンとピアノ―
  ショパンと管弦楽―作品分析―ミツキィヴィッツ―葬送行進曲―
  不治の病患

第二章 ショパンの作品(ポロネーズ其他)
  ポーランド人の特徴、性格―舞踏会―ポロネーズに現れた国民性―
  ポーランド文化の特性―ミツキイヴィッツの詩―
  ポロネーズの変遷と進化―ショパンのポロネーズの憂愁―
  イ長調、変イ長調ポロネーズ―嬰ヘ短調ポロネーズ 幻想ポロネーズ

第三章 ショパンの作品(マズルカ其他)
  マズルカ マズルカに於ける女性―マズルカの性格―
  ポーランド人の逆説―ポーランドの女性―マズルカの印象
  ショパンと一貴婦人の会話―ショパンの様式

第四章 ショパンの演奏
  ショパンと演奏会―理解されぬショパン―芸術家と聴衆―
  ショパンの祖国愛―ショパンと社交界―ショパンの部屋―
  ハイネとショパン―ハイネの幻想
  ショパンの友人―ジョルジュ・サンド―死の幻影

第五章 ショパンの生活(天才と日常)
  詩―詩人の想念―詩と現実―詩人の私生活―芸術と生活の矛盾―
  ショパンの孤独と理想―社交界のショパン―ショパンの性格―
  ショパンの宗教―政治とショパン―ローマン主義―
  ショパンの信念―ショパンの死―ポーランド語―
  ショパンの趣味―ショパンの日常―ショパンの作品と生活

第六章 ショパンの生い立ち
  幼年時代のショパン―彼の習慣―音楽の学習―青年時代のショパン―
  恋愛と別離―チェツヴェルヅンスカ王妃のサロン―
  ショパンの音楽と女性―ショパンと情緒―ショパンの作曲方法―
  ショパンの音楽とポーランド―主観的天才―
  ショパンとベートーヴェン―ショパンとシューベルト―
  ショパンと古典音楽―ショパンとモーツァルト―演奏会―成功―
  ポツトカ伯夫人―即興的作品

第七章 レリア(ジョルジュ・サンド)
  レリア―一航海者の手紙―愛の理想―ジョルジュ・サンド―
  ショパンとジョルジュ・サンド―恋愛―マジョルカ島の幸福―
  サンド夫人の献身的愛―幸福な日々

第八章 ショパンの最後
  衰弱―グットマン―英国への旅―ロンドン―モーラン博士の死―
  ピアノ弾奏法―シラーの詩(理想)―死の影―危篤―
  死の床のポツトカ公夫人―臨終―葬儀―悲哀―記念碑

訳注

補注

訳者後記
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