直仁の「善き人のための」研究室

読書、ペーパークラフト、フィギュアスケート、散策などの雑感

神様がくれたゆび

佐藤多佳子の「神様がくれたゆび」を読んだ。
僕の好きな上橋菜穂子さんが「天と地の守り人」文庫本の巻末で鼎談した相手が荻原規子さんと佐藤多佳子さんだった。
本屋で偶然、荻原規子さんの「レッドデータガール」の文庫本を見つけて衝動買いして一気読みしてしまった。彼女の作品を読むのは2作目である。1作目は「西の善き魔女」。古本屋で見つけた全3巻か4巻の長編だった。少女マンガのような物語が最後には萩尾望都風の「惑星管理委員会」みたいなオチで終わる、何とも微妙な作品だった。「レッド・・・」もやはり少女漫画を読んでる気分だったが、少し冒険活劇的で面白かった。続きがあるようなので文庫本発売を待つ。
さて、佐藤多佳子さんだが、何も読んだことが無かったので図書館にある本を借りて来た。彼女も児童文学の分類に入るということなので、どんな話かとおもって読み始めた。「神様がくれたゆび」のタイトルから連想されにくいストーリーだった。ゆびは、プロのスリの指のことだった。プロのスリの青年とタロット占いをする女装した若者を中心に展開する話で、危険な悪ガキと警察が絡む事件に向って話が進む。事件のところに来るとテンポアップし、これも映画を見ている様で楽しかった。主人公のスリの青年は、誰からも好かれる。その設定が物語全体を暖かな雰囲気にしているように思う。寒々しい悪い奴らも描きながら、彼等に翻弄されるスリの青年は結局幸せな境遇にいる。彼を囲む人々の暖かさが気持よい。
文章は気風の良い江戸っ子が書いたようで、佐藤さんの他の作品も読みたくなった。
単純に物語の面白さという点で先月、先先月に読んでいた村上春樹作品に勝っていると思う。
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