直仁の「善き人のための」研究室

読書、ペーパークラフト、フィギュアスケート、散策などの雑感

奈良遊び

7月31日に奈良に遊びに行った。

  興福寺 ~ ならまち ~ 奈良ホテル、ゆっくりと真っ青な夏の空の下を歩いてきた。

奈良には鹿さんがいる。当たり前にいるので、鹿なんか珍しくないからたいして興味ない、
なんて思っていたが、興福寺境内の入り口で早やお目見え。
鹿だ! いるいる  いるいる  あ、こっちくる! 
なんて結構嬉しかった。
記憶にある鹿と色が違った。茶色が濃くて鮮やかだ。立派なつのをもつ彼を見ると自然物の造形に敬意を表したくなる。記憶にある象徴としての鹿、画像としての鹿と違って、当たり前だけど「動いている」。生ものは新鮮だ。
鹿を見ただけでこんなにわくわくするとは期待もしてなかったものだから、それだけで来てよかったと内心嬉しくなっていた。横を歩いていたカミさんには言ってないけど。
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さて、興福寺

まず目の前に現れた東金堂と五重塔。天気が素晴らしく良かったせいか、それらは広い空間の一部を切り開いて、周りの空間を押しやり、そのためか、周囲の空間の密度が濃くなっているかのような存在感を見せていた。
大型建造物だからかもしれない。あるいは、他に大きな建物が無いからかもしれない。
例えば会社への通勤途中に五万と見ている人家やビルや商店やらは同じように空間の一部を占めているはずなのに、二次元的というか、そこにただ配置されているだけで何の存在感も漂ってこない。

つまり、視界に入った瞬間に圧倒されたってことである。

いくつか写真を撮ったけれどもなかなかそんな感覚を表現できるものは無い。それに、五重塔はちょうど逆光になっていて色合いもいまひとつ。全景ではないけれど、うす雲を掃いたような夏の空が似合っていた一枚。
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東金堂の仏様、菩薩様、四天王、十二神将を拝ませてもらい、次に国宝館へ。
月並みだけれど、阿修羅像の本物を見れることに心躍らせて入った。
ここは阿修羅像だけでなく、多くの貴重な、そして教科書なんかにも出てくるたくさんの仏像が収められている。

山田寺の仏頭。首から上だけで、しかも後頭や片耳が損壊しているが、白鳳美術の傑作として名高い。その大きさに対し不釣り合いなほど美しい顔のラインに魅入ってしまう。

龍燈鬼、天燈鬼。ふだんは仁王様や四天王に足蹴にされている邪鬼が、この場合は、どっしりと立ち構えて燈籠を抱えている。非対称のバランス。踏ん張った両足の力強さの彫刻表現がすばらしい。

金剛力士像。阿吽の2体。全身筋肉隆々。これだけの裸像彫刻はギリシャ彫刻やロダンの彫刻の筋肉表現よりも姿態の美しさの点が加わり余程優れているのではないか。

八部衆。少年の顔つきの像が数体。これらを作らしめた光明皇后とは、いったいどのような感覚の持ち主だったのか知りたい。阿修羅像をあのような姿に作らせた光明皇后とは何者なのか。地位の事ではない。どう生きたら、あのような像の創作を指示できるのだろうか、とても想像できない。
この時代の仏像彫刻の意匠は、時代を超えてハイセンスであり、かつ、人を畏怖させるオーラをまとっている。
それを善しとした感覚は、実に1000年以上前の人々のものだということが驚異なのである。

八部衆のひとり、阿修羅像にじっくり対峙した。ペーパークラフト製作で細かい部分の形や模様が記憶に入っているので、本物を見ると懐かしいようであり、また生もの感覚もあり、新たな気づきもあり、そして、なんと実物は美しい品を湛えているのかと感動したりもした。この「本物」が目の前にあるということ。そして、自分が居なくなっても、ずーっとここに「在る」「居る」ということの不思議さ。とてつもなさと不安、そして愛情の念が一度に押し寄せてきた。
ここにこれて良かったと思う。付き合ってくれたカミさんにも感謝!


さて、ならまちで昼食を、と予め目星をつけていた古民家カフェを探したが見つからない。さんざん歩き回り、最後にガイドマップにあった「中川政七茶房」に入った。運の良いことにここも古民家を使った食事処で、品の良い雑貨も売っていた。ランチはお重のセットもの。器も味も接客も庭の眺めもすべて善し。また行きたいと思った。
ちょっとした器だけれど面白い↓ デザートの器。
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最後に奈良ホテル。
ここは格式のあるクラシックホテルで、明治時代の創業。賓客も多数宿泊されたということで、アインシュタインが弾いたというピアノが置かれていた。
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一流ホテルのラウンジでお茶をする。多少値段は高くても、それ以上の価値があるとカミさんの進言に乗って来てみた。調度品しかり、建物のデザインしかり、見て感心して、自分の感性も磨きつつ、伝統と気品の雰囲気のある空間に身を任せてゆったりとした時間を過ごす。贅沢に時間を使うのも善し。
ラウンジからの緑の庭の眺めは目に優しい。全面ガラス張りの広い廊下のような場所にテーブルを並べた粋な作りである。
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テーブルの砂糖の器と小さな花のグラスも何ともセンスがいいではないか。
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   ほんもの    由緒正しさ

これがこの日のキーワード。あとは自分を磨けって?
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