直仁の「善き人のための」研究室

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名古屋フィル定期演奏会

名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴いてきた。
曲目は リスト作曲メフィスト・ワルツ第1番(レーナウの『ファウスト』による2つのエピソードより第2番『村の居酒屋での踊り』 S.110-2)
シューマン作曲 チェロ協奏曲イ短調 作品129
ブルックナー作曲 交響曲第2番ハ短調[ノヴァーク版]
でした。
指揮は小泉和裕さん、チェロのソリストはヨハネス・モーザー。

メフィストワルツは、昨年からカミさんが弾くピアノ版を何十回となく聞いてきたし、ポゴレリチの神的な演奏も聴いて相当にイメージが出来上がっているので、オケ版の多彩な音色の中にピアノの表現を追い求め探し求めるように聴いてしまう。曲のニュアンスが全く違うと言っていい。ピアノ版では悪魔メフィストと居酒屋といった単語から想像されるまがまがしさや土臭さや、なんとはなしに気だるい表現や熱の入った踊りの様子を一所懸命に読み取るように聴いていたのだが、今日のオケ版の演奏は結構あっさりとして小綺麗な演奏表現に終始していた。そういう曲なのかもしれない。だが、小綺麗なメフィストというのは中途半端である。綺麗ではない。この曲想から綺麗な仕上がりはありえない。かといって、土臭さや踊りの熱やまがまがしさを感じれるかというと小綺麗なので無理である。だから聴いてる方も盛り上がれないし、かといって、意味深な奥深さも感じられないので、自分の聞き違いでなければ拍手は勢いがなかった。

チェロ協奏曲は、ソリストのモーザーさんが断然うまかった。若手だというが、音が深く太く落ち着いていて余裕があり、楽器全体から音が押し出されるように客席に向かって響いてきていた。何しろ音程のコントロールが抜群で、耳心地のよい音色であった。少し上体や頭部を左右に揺らしながらバックのオケと音の交換をしあっている雰囲気を感じさせて、いかにもアンサンブルを楽しんでいる感じで好感も持てた。

ここまでは、指揮の小泉さんは大人しい感じというか、それほど気合いを入れるタイプではないんだなあという印象で、後半はどうなるんだろう、と思って休憩を迎えた。

ブルックナーが始まって、団員の演奏する体の切れが前半とは変わったように見えた。丁寧でキレがよく、かつ、ffでは思い切りの良い音量で迫ってくる。なるほど、小泉さんは、チェロ協奏曲はソリストに任せて、オケの演奏はブルックナー一本に賭けてきたようだ。交響曲第2番はあまり有名ではないとはいうものの、自分は学生時代に一通り聞いているので、耳覚えのあるフレーズが随所にあり、懐かしさとともに楽しめた。金管も最近の名フィルは安心して聴くことができ、最後まで気の引き締まったよい演奏だったと思う。

あとは欲を言えば、感動して胸が打ち震えるような何かが足りない。曲目にもよるのかもしれないが、いや、演奏自体にもそれを可能ならしめる何らかの味付けができるはずだ。定期演奏会だから、とりあえずきちんと演奏しきった、とも言えなくもない。難しいのかな。
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