直仁の「善き人のための」研究室

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フィギュアスケート 浅田選手について想う


ソチオリンピックのフィギュアスケートも終わってしまいました。
本当に長年大ファンとして応援してきた浅田真央選手がメダルを取れなかったのは残念でなりません。

点数や順位については結果として変わることはないので自分ごときが何を言っても始まりません。
それでもこのブログに書きたかったのは彼女のフリープログラムの演技に大きな感動を得たからです。
今までフィギュアスケートの演技を見て涙がでてくるほど感動したのは、伊藤みどり選手のオリンピックでのフリープログラムと前回オリンピックで「道」を演じた高橋大輔選手のフリープログラムのふたつでしたが、今回浅田選手の演技で3つ目になりました。テレビのニュースやハイライトなどで放映されるたびに涙があふれてくるし、あらためて録画で見ても想いは変わりませんでした。
自宅で浅田選手の演技を見ながら大泣きしている織田君の写真がネットに公開されていますが、その気持ちはよくわかります。
フリーのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番にのせた演技は、伊藤みどりさんのときと同じ曲でしたが、編曲も構成も異なり、これはこれで見ごたえありました。難易度の高いジャンプを次々と決めていくに従い、だんだんと泣けてくるのです。今回のプログラム構成は鬼プログラムでした。すべて成功すればとんでもない点数になるのではないかと前から思っていました。実際、技術の基礎点はほかの誰よりも高かったわけで、出来栄え点が他の選手なみにもらえれば技術点はダントツだったでしょう。
基礎点というのは、ジャンプについては、その種類で決まる点数で、スピンやステップは、レベル4までの判定で決まる点数です。今回3種類のスピンもステップも最高のレベル4でした。

ジャンプについては、ギネスにのるのかもとマスコミでは言われていますが、いままで誰も成し遂げていない構成でした。女子はジャンプを7本飛びます。そのうち3本はコンビネーションにするというルールです。ジャンプの種類は全部で6種類あります。それぞれに1回転から3回転まであります。まず他の選手ができてないのが6種類の3回転をすべて飛んだということ、そして、コンビネーションで2つめに3回転を入れることで、合計8本の3回転を飛んだということで、前人未到なのです。スピンやステップも加えて基礎点は66.34で最高でした(金メダルのソトニコワは61.43、銀メダルの金妍児は57.49、銅メダルのコストナーは58.45)。

ただし、2つのジャンプで回転不足とルッツジャンプのエッヂエラーがあり、出来栄え点(GOE)の評価が他の選手よりも低めになってしまいました。エラーについては仕方がないとしても、それ以外の出来栄えの評価はもう少し高くしてくれてもよいのにと思ったりもしますが。金妍児はじめ多くの選手は、スピードのある助走から、流れのあるジャンプをするのに対し浅田選手は、ふわっと上に上がるという特徴があります。前者の方がジャンプ後のスケーティングへのつながりがよく見えるのでしょう、GOEが高くつくということらしいです(どこかのブログに書いてありました。)。本当にそうなら仕方がないです。でも、今回のフリーの演技は、ジャンプの後の滑りも滑らかで特に流れが止まるような感じもしませんでしたので、もっとGOEを出してほしかったと思います。

ジャンプの基礎点が高いのにGOEが低いということは、難しいジャンプに挑戦したがゆえに、降りた後の動きに余裕を持てず、どうしても出来栄えが悪くなるということなのかもしれません。そうすると、難度の低いジャンプを余裕をもって飛んだ方が高いGOEをもらいやすいということで、どちらを重視するのかということが得点を稼ぐための作戦になるのでしょう。多くの浅田ファンが金妍児との比較で、そういった議論をしています。GOEの判定が公正なものであるという前提で議論するなら、やはり選手の特性を分析したうえでどちら重視で臨むのか作戦をしっかり立てたほうが勝利に近づくということでしょう。

報道を見る限り、浅田選手は常に自分ができる最高の技を求めてきたようです。トリプルアクセルもトリプルフリップ+トリプルループも他にやってる人はなく、難度の高いジャンプに挑戦すること以外考えていませんでした。
これは見る側(採点者ではなく)にとってすごく重要なことです。これが見れるから驚きや感動が生まれるのです。それほど難しくないジャンプをきれいにまとめるよりもずっと見ごたえがあります。風姿花伝に言う「秘すれば花」です。僕は、常に挑戦し続けてぎりぎりのところで(いつも成功するとは限らない状況で)、奇跡的にもすべて成功させた演技だったからこそ真価があると思うのです。ショートプログラムの失敗でメダルは取れませんでしたが(成功していらたとれたかどうかも今となってはわかりませんが)、それ故に完遂できたかもしれないフリーの演技は歴史に残るものだと思います。(あるジャーナリストは、ショートプログラムで失敗してメダル圏外になったため、メダル争いにではなく、自分の演技に集中できたからうまく行ったと分析している人もいました。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。)

もうひとつ、得点についてよくわからないのが、PCS(プログラムコンポーネンツ)です。
スケート技術(Skating Skills, 略記号:SS)
要素のつなぎ(Transitions / Linking Footwork, 略記号:TR)
動作/身のこなし(Performance / Execution, 略記号: PE)
振り付け/構成(Choreography / Composition, 略記号: CH)
曲の解釈(Interpretation, 略記号: IN)
の5つを審査員が10点満点で採点します。それぞれに細かい意味があり採点要領があるのでしょうが、これらは、試合に臨む都度大きく点数が変わるようなものではないように思います。プログラムにつかう曲も振り付けも一シーズンほとんど変わらないので(曲を少し編曲したり、振り付けを修正することはある)、たとえば、振り付け構成点や曲の解釈などは、いつも同じような点数になるんじゃないかと思うし、スケート技術も、そうそう変わるもんじゃないでしょう。

それで、今シーズンの浅田選手のPCSの点数を調べてみました。
スケートアメリカ(10月)  69.54
NHK杯(11月)       70.23
グランプリファイナル(12月)68.79
全日本選手権(12月)    70.80
ソチオリンピック(2月)   69.68

ほとんど同じです。たまたまなのか、採点が公正なのか(審査員はいつも同じではない)揃っています。なんとなく納得できます。ジャンプの失敗があったり転倒があったりしたら少しは影響するにしても、演技構成点は変わらないのでしょう。

今回オリンピックで金メダルを取ったソトニコワ選手はどうだったでしょうか。
中国杯(10月)         60.31
エリックボンバール杯(11月)  64.65
グランプリファイナル(12月)  60.47
欧州選手権(1月)        69.60
ソチオリンピック(2月)     74.41

前半60~64だったのが、欧州選手権で69に上がり、今回一緒に74点に跳ね上がっています。
僕は客観的に比較できるほど冷静に浅田選手のフリー演技を見れてないのを考慮に入れても、ソトニコワ選手と同等レベルの演技構成点(PCS)を与えてもおかしくないと思うので、こうやって過去の点数を調べてみました。

ちなみに僕はロシア娘達のなかではソトニコワに注目して応援していましたので、今回金メダルを取れて良かったね、と言ってあげたいです。彼女はジュニア世界選手権で確か優勝したのですが、そのあとシニアに上がってからはひとつ下で2位だったタクタミシェワの後塵を拝する時期があり、苦しんだ時期があったのではないかと想像します。タクタミシェワは今回代表にならなかったのはどういうわけでしょうか?調子が上がってこなかったのかな。ロシア娘達は下からどんどん出て来てるので代表争いが熾烈なんでしょう。リプニツカヤもなかなかですが、年齢制限で選考から外れたラジオノワなんか僕は好きです。踊りの心がある。彼女らが身体が大人になるときにどうやってうまく適応して行くのかこれから見て行きたいとおもいます。身長も体重も変われば、重心も変わるので、ジャンプやスケーティングにおおきく影響するそうです。若い頃から活躍するひとは大変ですね。

今回の浅田選手のPCSが他選手(ソトニコワ、金妍児)より低かったのは、ショートプログラムで失敗して最終グループにならなかったからだという評論家もいます。つまり、メダル争いに残れない人に大量点をだす意味はなく、最終グループに高得点をとっておくものだ、というのです。これも勝負の世界なのかもしれません。それぞれ特徴の異なる選手が異なる音楽にのせて異なる振り付けで演技をするのを、しかも同時進行でなく順番に時間差で見ていく審査員は、せいぜい同一グループ内での比較はできても、2グループ、3グループの10人以上を公平に比較することは困難なのでしょう。それに、順当なら実力者は最終グループにかたまってくるのが通常なので、今回のように下位で順番の早かった実力者浅田選手に与える点数付けが難しかったのかもしれません。

だんだん、愚痴っぽくなってきましたのでこの辺でやめておきます。
せっかくよい演技をして素晴らしかった浅田選手にもっと点数が出てほしかったということだけなのですが、うつうつと考えることに終わりがないので、ここに書きおくことでお終いにします。



気持ちを切り替えて明日から新しい目標に向かって仕事頑張ります。


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