直仁の「善き人のための」研究室

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昭和レトロ扇風機を修理


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お盆なのでおとといは実家に帰った。
年老いた父親が最近家の中の片づけをしていて、僕の持ち物の要不要を確認してくれと前から言われていた。物置や倉庫には僕の名前を書いた段ボールが数個あったが、ほとんどは要らないもの。使おうと思えば使えるけれど結局は使わないのでしまいこまれているものばかり。物を大切にする気持ちもないではないが、おそらく自分が死んだら処分されるだろうものだと思うと、今処分しても同じことだ。
倉庫はおおむね半分以上のスペースが空いていたので、結果的には僕のものはそのまま置いておくことになった。

僕のものはたいしたものではなかったが、倉庫の奥から古い扇風機が出てきた。これどうする?と父親と母親がそろって聴いてきた。カミさんがそれを見て、オークションで売れるんじゃない?という。確かにレトロな黒い4枚羽の扇風機は、古民家カフェとかに置いてあって風情を醸し出す道具としては価値がありそうだ。
動くのかな、と言ってコンセントをさしてみると動かない。さては、と思い出したのはレバースイッチ。0,1,2,3,4の数字が並んでいる。0はOFF,1は強風、4が一番弱風だった。子供のころ、昼さがり、板の間の食卓でかき氷かスイカを食べながら、この扇風機にあたっていた光景を思い出す。レバーを1にすると動き出した。しかし、回転がいまひとつ早くならない。首ふり機能は生きている。
見ればいたるところ埃まみれである。これは危ない。どこかショートしかかっているのかもしれない。
とりあえず、インターネットオークションで似たようなものを探してみると、修理済みで20000円くらいで売れている。
このまま何もせず売るのがいいか、掃除くらいはしたほうがよいか、いずれにしてももらっていくことにした。

おもしろいことに、そう決めてから時間がたつごとにこの扇風機に気持ちが執着しはじめた。最初は分解してきれいにしてやろうくらいだったのが、配線なども取り替えて完全に動くようにしてやろうと思い出した。オークションになど出さず、自宅で使えばいいんじゃないか。

次の日、早速分解を始めた。すでに同じ機種を分解修理した人の日記がネット上に公開されていたので、参考にさせてもらった。こちらのブログ。

構造は単純で分解しやすかった。掃除機で埃をあらかた吸出し、古い歯ブラシで細かい部分にたまったカスのような埃を掻き出した。金属製の筐体の塗装面はどうやってきれいにすればよいのかわからないが、油汚れなら油で落ちると言われているので、CRCをかけて歯ブラシと布でふいてやったら、そこそこきれいになった。相当古いはずだが、意外と錆が少なく、銘板のあたりはテカリが出るくらいだ。

銘板にはこう書いてある。
「単相交流扇風機」
「型式 KH14 No.359565 電圧100~110. 周波数50~60.」
「特許 ・・・・・」
「株式会社川北電気製作所」
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製造年月はいつだろう。ネットで調べてもわからなかった。
特許番号の一番数字の大きい82328は、特許出願昭03-010236、特許公告昭04-000863なので、少なくとも昭和4年よりは新しいはずだ。戦前なのか戦中なのか戦後なのか。
どなたかわかる人がいたら教えてくれないかな。ネットで検索しても有力な情報はでてこないので。

川北電気企業社として明治42年に創業したこの会社は、大正2年に日本初の交流12インチ扇風機「タイフーン」の量産を開始、大正6年に(株)川北電気製作所となり、総合電機メーカーとして扇風機、トランス、モートル、発電機、エレベータ、電話機、交換台、電熱器などを生産当時、個人経営の松下幸之助氏に扇風機の「碍盤」1000枚を発注。とパナソニックエコシステムズ(株)の歴史博物館に紹介されている。


で、修理であるが、一日目は大失敗をした。モーターのコイルに接続されていた3本のケーブルの、その接続部の状態があまりにもひどい状態だったので、いろいろと汚れをとったりしているうちに修復不能と判断して切り取ってしまったのだ。早計だった。コイルの一部には何かが融けて黒いタールのようなものがこびりついているし、結線部はワックスを溶かして固めたような感じに固まっていて線がどうなっているのかさっぱりわからず、外しようがなかったのだ。
それで思い切って根本から切ってしまった。こうなっては、もう動かすことはできない。昨日までは動いていたのに、である。

そのまま、飾りとして置いておくしかないとあきらめてはみたものの、後悔の念に苛まれ、何時間もネットで修理情報を検索した。なんとか修理できないか、モーターのコイルはどういう構造になっているのか。
結線を切ったあとに、わずかに細いエナメル線が3本ひょろっと顔をだしていたので、ワックスの塊のようなところから化石を掘り出すようにピンセットの先で引き出した。2本は2cmくらいでてきた。もう1本は5mmくらいの長さがあったのだが、これに結線を試みて折ってしまった。わずかに1mm程度しかでていない。その先はコイルの渦の中に埋もれていて引き出せそうにない。それでも、この3本を何とか結線すれば動くのではないかと一縷の望みをかけて、情報を探した。

無い。

一か八か、やってみよう。3芯ケーブルを買ってきて結線してみよう。1mmしかなくても、半田でつければなんとかなるかもしれない。狭い場所なので、熱収縮チューブでなんとか絶縁できるだろう。ネット情報を頼りに、慣れない電気配線を試みることにした。

必要な資材をホームセンターで買ってきて2日目のトライが始まった。古いケーブルはすべて取り換える。結線は安全に。コイル部分以外は、おそらく優等生的な作業になったと思う。
コイル部分は、半田付の成否次第だ。力が入ってポロッと取れてしまったら最後だ。ケーブルはモーターカバーの穴から出しながらカバーを取り付けるので、その間ストレスがかかる。それを緩和するために、先のブログの修理の前例に倣ってタコ糸で止めたりして対策を講じた。
配線だが、コイルから出ている3本のエナメル線のどれをどうつなげばよいのかもわからない。適当につなげては動作を確認するしかないのか。これも前例の写真を見て、位置関係が同じだと仮定して結線してみた。
大当たり。動いた。
あとは、使っているうちに配線が切れてきて発火しなければよいが。
素人が修理した扇風機が火災を起こした例があり、注意情報がでているので、動かすときはとにかく気を付けよう。

なんとか結線もうまくいき、すべて元通りの機能を取り戻した。
ただし、電源ケーブルは道具箱に入っていた残りを使ったので、色が白しかなく似合わない。いずれはレトロな布カバーのケーブルに付け替えるとする。

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レバースイッチもちゃんと機能する。

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裏に説明書が貼ってあるが、半分くらい朽ち落ちてあまり読めない。

それにしても、おそらく50年以上前のものと思われるが、配線さえやり直せばちゃんと動くというのはすごい。
今までに一度は配線修理した形跡がある。祖父がやったのだろうか。祖父は一応名古屋電気学校(現在の名電)を出ていて、自動車の修理工場で働いたり、タクシーの運転手をやっていたりした人なので(戦前)、いろんなものを修理するのは得意だったのだろう。
それを再度修理できたことに感動を覚える。

そして結構疲れた。もう意識がもうろうとしている。風呂に入って寝るとしよう。
明日からはまた仕事だ!

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