直仁の「善き人のための」研究室

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「させていただきます」禁止条例


今日は「させていただきます」という物言いを禁止条例とさせていただきたく、ここに意見を述べさせていただきます。

「させていただきます」の用法が間違っている場合が多くて、それを指摘する声はWebで検索するとわんさか出てきます。私も以前から気になって気になって、それでも耐えてきたのですが、先だって会社の会議で聞いた若い人の15分のプレゼンの中で最低20回は連呼するのにはさすがに唖然とし、誰かに物申したくなったのでした。

それは、上司の指示で月度報告をする会で、自分が開発している技術の進捗報告をする場でした。
「本日は、AAAについて報告させていただきます。最初に背景について説明させていただき、つぎにBBBについてお話しさせていただいたのち、その後CCCについてご報告させていただき、最後にまとめとさせていただきます。」っていうのはやめてほしいです。

文化庁によれば、「させていただきます」は、基本的には、自分側が行うことを、
(1)相手側や第三者の許可を受けて行い、
(2)そのことで恩恵を自分が受けるという事実や気持ちのある場合
に使われる、とのことです。

仕事での報告は、上司や部門で決めたイベントや指示であり、その場で誰かの許可を得る必要はなく、ましてや報告することで自分が恩恵を受けるわけでもないし気持ちもないはず。あきらかに誤用です。こうやって丁寧な言葉を使っておけば取り敢えず安心と考える若い人が多いと、どこかのブログに書いてありました。
そうですよね。そんな気持ちもわからんではありませんね。自己防衛機能とでもいいましょうか。

しかしですよ。私はさらにこの言葉に暴力的な意味合いを嗅いでしまうのです。

というのはこういうことです。
「いただきます」は謙譲語なので、謙譲をやめると「もらう」になります。従って「させていただきます」は「させてもらう」が元の言葉になるはずです。
「させてもらう」ってどういうときに使いますか? 相手が本当はそうして欲しくないのに、自分がしたいから勝手にそう「させてもらうわ!」という用法です。
ただし、一応宣言してやるわけだから、了解を得ようとしている態度は感心です。しかし、許可を得る前提で「する」ことを宣言しているから、そして、反論の機会を与えることないまま「するぞ」と結論を出しているわけだから、自分の意志を相手にゴリ押しするという意味で暴力的とも言えます。

だってねえ。「本日は12時で終了とさせていただきます。」って言われたら、しょうがねえなってほとんどの人は諦めるでしょ? 丁寧に言ってるようで「今日は絶対12時に終わりにするからね。問答無用」って言ってるわけですよ。これって、相手の許可を得ようとしているんだからいいじゃないですか、って反論も聞こえてきそうです。ならば「終了させていただいて宜しいでしょうか?」って許可を願い出るのが筋だと思うのですが。

まあでも、どっちでもいいですけどね。
気づかぬうちに自分もどこかで言ってそうだし。
「させていただきます」の自己防衛機能の誘惑に知らぬ間に負けてしまって。

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