直仁の「善き人のための」研究室

読書、ペーパークラフト、フィギュアスケート、散策などの雑感

初鳴き

鶴舞公園を歩くのは最近気持ちいい.
梅が咲き、晴れた朝の陽に当たる緑も活きて見える.

金曜日朝の出勤途中.梅の近くに咲き終わりを迎えた山茶花の木立から、透きとおり響くようなウグイスの鳴くのを聴いた.
僕にとっての初鳴き.

気象庁の初鳴き前線地図を見ると、1961年から1990年の平均だそうだが、愛知県は2月28日から3月10日の間にある.ウグイスの初鳴きをこの日と決める方法について思いめぐらしてみた.例えば愛知県内に生息するウグイスの中で一等最初に鳴くウグイスを誰が正確に知りうるのだろうか.できっこない.
例えば、ある場所、もしくは、ある木を決めて、そこにくるウグイスを毎日観測すればできそうだが、それでも、一日中観測していないと初鳴きしたかどうかわからないのではなかろうか.
いったいどうやって、その地域の初鳴き日を決めているのだろうか.

それはさておき、ウグイスの鳴くのを立ち止まって聞いている女性がいた.
彼女は40代か50代だろうか、出勤途中の風体である.
僕も立ち止まり、ウグイスがいるあたりを窺うと、彼女が口をきいてきた.
「どこにいるかわかります?」
目を凝らしてみると、ウグイスらしき小鳥が葉陰を飛び移る姿が見えた.飛びながら鳴くのだろうか、という疑問を持ちつつ、
「飛び移ってるみたいですね」
と返すと
「まだ鳴き方は下手ですけどね」
と言って、歩き始めた.
僕の行く手と同じなので、少し遅れて歩き出した.

通勤途中でも風情を楽しむ心を持つ人とわかれば、楽しみを分かち合いたくなる気持ちは心地よい.
風雅を前にして時を分かつ人には誰にでも自然にすっと言葉をかけられる人間でありたい.

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